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「格差」のパラドックス

 その前に一つ、確認しておきたい事がある。

 『ハインライン・デモクラシー』について「ただの軍人独裁政体じゃないか」と批判する向きが世間にはあるようだが、この制度において参政権を持てるのは、あくまでも「二年以上兵役に従事し、しかる後退役した者」である点を見逃してはならない。すなわち、たとえどんなに長い軍歴を誇ろうとも、現役軍人でいる限りは参政権を持つことが出来ないのであり、そこにこそ、この制度のキモがあるのだ。

 言うならばこれは、戦前の日本における「軍部大臣現役武官制」の真逆、「軍部大臣には、予備役・後備役の軍人しか就くことが出来ない」と言ってるのも同然なのであり、それがどれほど「軍人独裁」なる状態から程遠いものであるか、多少なりとも昭和史に詳しい方ならばすぐにご理解いただけるものかと思う。

 以上の事を念頭に置きつつ、以下の文を読み進めてもらいたいのだが、先に述べた「この国の民度」の問題について、ヒントは意外にも北一輝『國家改造案原理大綱』の中にあったのだ。

 これは何も憲法問題のみならず、今後の保守左派運動全てを大衆的に進めていく上でも、非常に重要なポイントになる点だと思われるので、あまり余計な解説は挟まず、紙面の許す限りその箇所を引用してみたい(傍線筆者。漢字は現代語に直した)。

 在郷軍人団会議――天皇ハ戒厳令施行中在郷軍人団ヲ以ッテ改造内閣ニ直属シタル機関トシ以ッテ国家改造中ノ秩序ヲ維持スルト共ニ(中略)在郷軍人団ハ在郷軍人ノ平等普通ノ互選ニヨル在郷軍人会議ヲ開キテ(中略)常設機関トナス。
註一――在郷軍人ハ嘗テ兵役ニ服シタル点ニオイテ国民タル義務ヲ最モ多大ニ果タシタルノミナラズ其ノ間ノ愛国的常識ハ国民ノ完全ナル中堅タリ得ベシ。且其大多数ハ農民ト労働者ナルガ故ニ同時ニ国家ノ健全ナル労働階級ナリ。而シテ既ニ一糸乱レザル組織アルガ故ニ改造ノ断行ニ於イテ(後略)
註三――在郷軍人ハ兵卒ノ素質ヲ有スル労働者ナル点ニ於イテ労兵会ノ最モ組織立テル者トモ見ラルベシ(後略)


 さて、もう一度思い出してみよう。

 現在の政府保守派は、貧富差を拡大させて兵役にでも行かないと食えない層を増やし、その上で「自分たちは安全地帯に閉じこもりながら好戦的な発言を繰り返し、実際の戦場には貧乏人の子弟ばかり送り込」んでるんでしたっけ?

 それって我々維新(革命)勢力にとっては、かえって好都合じゃん!

(笑)
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