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「直選権力」という両雄

 これに比べると、②の「首相の独裁者化」いや厳密には「立法と行政の間の、権力バランスの崩壊」防止策のほうは、はるかに難しいと言える。

 「両雄並び立たず」という言葉があるように、およそどんな人間の集団でも、同程度の力を持つ者が二人トップに立てば、その間には必ず争いが発生するものである。ましてや「国会」と「公選首相」という、ともに国民の直接選挙で選ばれた「同程度の民主的正当性」を持つ権力機構が並び立ったのでは、両者の間に、争いが発生しないほうが不思議だと言っても良いくらいであろう。しかも個人間の場合と違い、この両者の争いには、決して決着がついてはならないのだ。

 もしも公選首相が国会との権力争いに勝ってしまったらどうなるか。その時には首相公選制反対派の危惧通り、首相の独裁者化を招くだけの結果に終わってしまうであろう。あるいは逆に、国会側が首相との権力争いに勝ってしまったらどうなるか。その時には首相は無力化し、行政の政策が政策が国会にことごとく否決される、すなわち一切の国政がストップしてしまうという事態を招くだろう。

 では国会と公選首相の権力が全くの互角ならば良いのか、というとこれも違う。両者ががっぷり四つに組み合ったまま、全く身動き出来ない膠着状態に陥ってしまったのでは、やはり国政の停滞を招くことに変わりはなく、この状態を解きほぐすには、両者の間を調停できる第三者の介入がどうしても必要になってくるのである。ことほどさように首相公選制とは、実に繊細な、超絶的バランス感覚を必要とする制度なのだ。

 実際、制度だけ見れば極めて民主的なはずの中南米諸国の国政がなかなか上手く機能しないのも、世界で初めて、共和制国家でありながら首相を国民の直接選挙で選ぼうとしたイスラエルの試みが、結局はわずか六年間の短命に終わってしまったのも(もっとも、たとえ短期間にせよそのような制度が実際に導入可能であったという事実は、立憲君主国である日本で首相公選制を導入することも、少なくとも「国体論的には」なんの問題も無いことを証明しているとも言える)、首相公選制というものが、いかに運営の難しい、困難な制度であるかを証明して余りあるものと言えよう。

 とはいえ、世界は広い。

 世の中には、この途方も無く実行困難な制度を上手く機能させている国家も確かに存在するのだ。

 次回はその希少例であるフランスとフィンランドの制度を紹介し、これを日本はどう参考にすべきか考えていきたいと思う。

(続く)
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