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完全徴兵制は、若者の「政治的無関心」に対する最高の特効薬である!

 実を言うと、この投書より数週間前にも、同じような「徴兵制賛成」の意見が『週刊金曜日』の読者投稿欄に載ったことがあった。

 その投書は「戦争防止」の観点からというよりも、むしろ聖路加病院の日野原重明氏の意見に賛成する形で「若いうちに兵役などで苦労しておくことは」云々といった、どちらかというと精神修養的な側面に重点を置いた意見だったのだが、その後の号では、当然のように猛反発を受けていた。曰く「人殺し集団(勿論、軍隊のこと)の中に入らないとできない精神修養なんて」etc.etc……ってな具合に。

 まあそういう「精神教育」的側面はともかく、「政治教育」的側面について言うなら、むしろ「理不尽かつ横暴極まりない人殺し集団」だからこそ、最も教育的効果が高い、とも言えるのではないだろうか。

 考えても見て欲しい。

 軍隊といえば、人間が作ったあらゆる組織のなかでも、最も非人間性の高い縦社会である。問答無用の一方的命令、規則でがんじがらめに縛られた日常生活、過酷極まりない肉体訓練、横行する陰湿なイジメの数々、そしてひとたび作戦となれば、まるで消耗品のように扱われる兵士たちの命、命、命……。

 そんな「この世の地獄」とも言うべき場所に、それまで散々親のスネカジリで遊び呆けていた若者がいきなり放り込まれたら、一体どうなるだろうか。

 「どうして僕がこんな目に会わされなきゃいけないんだ? こんな理不尽なことを、一方的に僕に強制できる国家権力って一体何なんだ?」

 どんな軽薄バカでも、そう思わずにはいられなくなるだろう。そしていつでも自分に「死ね!」という命令を下せる立場にある国家権力の有り様について、嫌でも考えないわけにはいかなくなる。

 徴兵経験とは、若者に政治への関心を、否が応でも呼び覚まさずにはいられなくさせるという意味合いにおいて、確かにこの上なき「教育の場」だと言えるのである。

(続く)
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