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福田和也の立ちすくみ

「あの野郎、日和っちまったのか?」

 ウチの会長が、最近よくそんな文句をブツブツ呟いている。

 かつては、会長らとともに散々反米的言辞を吐きまくっていた福田和也氏が、九・一一以降、なぜか公けの場所でのアメリカ批判をピタリと止めてしまったことについて、会長はどうやら、相当な不満を持っているらしい。

 今、手元に資料がないので正確な引用はできないのだが、(アメリカ批判をやめた理由について)福田氏は確か、「圧倒的な力を前にした立ちすくみ」といったような意味のことをどこかで発言していたように記憶している。

 確かに、アフガン戦争、そしてその後のイラク戦争と、九・一一以降の世界でアメリカが見せつけた武力は、アラブ諸国はもちろん、ロシアやEU、中共ですら足元にも及ばない、まさに「圧倒的」いや「超絶的」としか言いようがないほど卓越したものであった。

 どんな大ねずみも、巨象と喧嘩して勝てるわけがない。

 人間は、次元が異なるほど圧倒的な力の差を目のあたりに思い知らされた時には、全ての意志も気力も打ち砕かれ、全くの無気力状態に陥るという。

 そこでは、それまでの人生でその人が培ってきたであろうあらゆる倫理も道徳も価値観もことごとく崩壊し、全ての事象が無意味と化した世界で心は虚無感に蝕まれ、その行動は、まるでロボットのように空虚に(その強者に)従属するか、抜け殻のように無為になるかしかないのだそうだ。

 そして九・一一以降のアメリカの強さは、まさにそういう心理状態に全ての反米主義者を陥らせずにはおかないほどのものであり、それに鈍感なものは「現実を直視できない臆病者」か「彼我の力の差を理性的に測定できない愚か者」のどちらかでしかないと、少々キツイ言い方だがそう福田氏は主張しているように思える(ここまでは全て私の曖昧な記憶に頼った記述なので、ひょっとしたらとんでもない勘違いをしている可能性もあることをご了承いただきたい)。

 会長には悪いが、確かに福田氏の言わんとすることも分からんではない。

 だが同時に「そういう『圧倒的な力を前にした立ちすくみ』って、確か日本人は、過去にも一度、経験したことがあったんじゃなかったっけ?」と思わずにもいられないのだ。

そう。

近代日本、原初のトラウマとも言うべきあの大事件『黒船来航』のときのことである!

(続く)
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