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憲法前文の条件

 「民族主権説」に基づく新憲法の条文を考える場合、その前文には、少なくとも次のような内容が盛り込まれてなければならないだろう。

① まず文章全体を「我々日本国民は」で始め、この憲法全体の主語が日本国民であることをはっきりさせる。

② ただしその「日本国民」とは「日本の歴史と伝統と文化」を体得し、それを尊重する者であるとし、日本国籍さえ持っていれば誰でも主権者になれるわけではないこともはっきりと示す。

③ 日本国の歴史的起源と地理的範囲とを明示し、「日本」とはそもそもどのような存在であるのか、その「国柄」というか「国体」というか、国のイメージのようなものを示す(より具体的な「日本の歴史と伝統と文化」の内容については、この連載の後のほうで追い追い詳述する)。

④ 国家の存在意義とその目指すべき理想像――国を豊かにし、文化を栄えさせ、国民一人一人を幸福にする、というような――を明示する。

⑤ だが現実には、④を実現するための手段として生れたはずの国家権力がしばしば国民に対して暴虐を働き、または国全体を間違った方向に導くことがあることを大東亜戦争敗戦に至るまでの日本の歴史を概観しながら述べ、ゆえにこれら国家権力は、「我々日本国民」によって常に監視され、制御される必要があることを説く。

⑥ そこで「我々日本国民」はこの憲法を制定し、全ての国家権力がこれに服従することを要求し、しかもその要求には②・③・④に基づく正当性があることも示し、それとともに改めて④に記された国家の理想を実現すべく、これからも不断の努力を続けることを宣言する。

 では、これらの内容に基づく憲法前文とはどのようなものとなるだろうか。次号ではいよいよ私、貫通信の手による憲法前文私案を公表したいと思う。

(続く) 
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