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 某読者氏からの批判に答える

 前回の拙文に対し、某読者氏(注:2004年当時にこの小論を掲載していた新聞の読者のことです)から非常に重要な問題点をついていると思わせる批判が二つ届いたのでここで紹介したい。

① 「それでもし憲法に違反する奴が出たら」とは何事だ! 貴様は、天皇陛下が自ら御定めになった憲法を、自ら破られることがあり得るとでもヌかすつもりか!

② 「皇室の伝統は本来『不執政』」などと簡単に決め付けないでもらいたい。天皇が統治の大権を手放されたのは、もっとも長く見積もってもせいぜい藤原良房による摂関政治の開始以降のことであり、日本国二六六四年(注:この小論が最初に某紙に掲載された2004年当時のこと)の歴史全体から見れば決して長期間とは言えず、常態とも言えない」

 このうち②については、これについて本格的に反論するとなると、もはや話が憲法論の粋内には収まりきれなくなり、開闢以来の日本の歴史や天皇論についても言及せざるを得なくなってしまうので、また別の機会を待とうと思う。ここではひとまず「イギリス生まれの責任内閣制、すなわち『君主は、君臨すれども統治せず』の原則は、本来、そうすることによって失政の責任を大臣に負わせ、君主の地位を安泰にするためのものである」という点を指摘しておくに留めたい。

 問題は①である。

 私は確か、前回の拙文の前のほうで次のように書いたはずである。

 「『天皇主権』をなんのヒネリのなくそのまま打ち出した場合、実現するのはただの官僚専制政治でしかない」と。

 ここでまた突然に話が変わるが、最近、宮台真司が、警察庁や総務省など旧内務省系官僚のことを、しきりに「君側の奸!」と呼んで罵倒している。

 「君側の奸」――なんと懐かしい響きのする言葉であろうか!

 かつて二・二六事件の青年将校たちが「君側の奸を除く」と称して大勢の大臣や高官らを殺害したのは、あまりにも有名な話である。 それは結局「朕ガ股肱ノ臣ヲ殺」したとして、かえって昭和天皇の逆鱗に触れることになり、以来、我々の間では、なんとなく使うことが憚られてきた言葉でもある。

 そもそも「君側の奸」とは何ぞや。

 辞書には単に「君主のそばにいる悪賢い臣下」としか書かれていない。一般的には「酒色などを用いて君主の耳目を塞ぐ一方、世間に対しては勝手に君主の名を用いた命令を乱発して私腹を肥やし、悪政の限りを尽くす者」といったイメージだろうか。

 もっとも、マスメディアの異常に発達した現代においては「君主の耳目を塞ぐ」ことなど、いかな奸智の持ち主であろうと不可能である。では現代における「君側の奸」の定義とは?

 詳しい説明は省くが、宮台真司によるこの言葉の使い方を見る限りでは、それはもっぱら「天皇の権威を、あたかも自分たちだけの独占物であるかのように扱い、一般国民に対してもそのように振舞う者」と定義できそうである。そしてその代表例が、かの悪名高き帝國陸軍内の常套句「上官の命令は天皇の命令」であるとも。

(続く)
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