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卑怯なり井上ひさし!

 マスコミ文化人のなかでも、大塚英志と並ぶ強硬な護憲派として知られる井上ひさしが、五年前(注:2004年当時から見て。つまり1999年のこと)に日本共産党の不破哲三と共著で出した本『新・日本共産党宣言』(光文社)の九八ページから一〇一ページにかけて、大体次のような意味のことを述べている。

 「第九六条の手続きに従いさえすればどんなふうにでも憲法を変えられるかというとそうではない。憲法の前文には『これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理(引用者註・基本的人権、主権在民、戦争放棄のこと)に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する』とあるのだから、この基本的原理に反するいかなる改正も許されない。それは憲法の法的連続性を損なうことになる」

 そして井上は「自民党や自由党、そして大新聞や大出版社などに、そのへんのことがよくわかっていない日本人がたくさんいる」から私が教えてやる、と言わんばかりの傲慢な態度をとり、改憲論者の言い分を粗雑にまとめた上「詐欺師の口上」とまで言って罵倒している。

 汚い手つかってんじゃねえよ、井上ひさし!

 ここで井上が展開している論法は、それよりずっと昔に、故・福田恆存が「当用憲法論」のなかで展開した論理の、そっくりそのままのパクリである! 

 しかも井上は、この論理のあとに福田が述べていることについては完全に無視しているのだ。これこそまさに詐欺師のやり口そのものであろう。

 「当用憲法論」のなかで、先の論理を展開した後に福田はこう述べている。

 「欽定憲法(引用者註・明治憲法のこと)にも第七十三条に改定の場合の手続きが規定されてをり、それに則って現行憲法が生れたといふ事になつてをりますが、果してそれは事実か(中略)欽定憲法のうちには、その前文による禁縛は何処にも見当たりませんが、憲法発布勅語には『茲ニ大憲ヲ制定シ朕カ率由スル所ヲ示シ朕カ後嗣及臣民及臣民ノ子孫タル者ヲシテ永遠ニ循行スル所ヲ知ラシム』とあります。これは憲法発布勅語の一節であって、憲法そのものではないと言ふ者があるとしても、それは単なる言ひ抜けに過ぎません」

 つまりなんのことはない。現行占領憲法こそまさに旧明治憲法の改正「手続きに従った」ように見せかけながら、実は明治憲法の基本的原理を踏みにじって作られた、「法的連続性を損なう」許されざる代物だったのだ!

 ちなみに井上は、何年か前(注:2004年当時から見て)の『週刊朝日』の年頭対談で、相手の大江健三郎がやはりこの「当用憲法論」の内容を自分に都合の良いように歪めて語っていたことも黙認している。「どうせ今時の若い連中は、福田恆存なんか読んじゃいないから大丈夫だろう」とでも思っていたのだろうか。人をなめるのもいい加減にしてもらいたい。
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