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新憲法の主体は誰か?

 その内容についてもしかり。ざっと一読したところ、この新憲法案の前文では、「日本の伝統、文化」とか「天皇制の堅持」(この天皇「制」という言葉も問題なのだが)といったことを謳いあげながら、同時に「自由」「平等」「民主主義」といった戦後民主主義的な言辞をも並列させ、ついでに「自然との調和」といった最近流行りのエコロジカルな言葉を、まるで新趣向でもこらすかのように飾り付けただけ、といったような印象であり、あまりにも中途半端な、折衷妥協的な匂いが強すぎる(さらに言えば、この憲法案ではやたらと「共生」という言葉が頻発されるのだが、「共同」や「共存」とは明確に区別された意味での「共生」という言葉の正確な使い方など、この憲法案の執筆者たちは多分全く分かっちゃいないだろう)。

 しかしそれ以上に、もっと大きな問題がある。

 この憲法前文の主語は、一体誰なのかという問題である。

 明治憲法では、本文の前に付けられた「祭文」や「詔勅」により、主語が天皇であることは明白である。

 現行憲法では、その前に付けられた詔勅との間に矛盾があるのだが、一応「日本国民」が主語になっていることは条文から分かる。

 ではこの新憲法案は? 

 前文の主語は「わが日本国」となっており、「わが」の中身が天皇なのか国民なのかはっきりしない。

 これは、国の主権がどこにあるのかに関わる重要な問題なので、次回に改めて論議してみたい。

(続く)
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