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長すぎる前文

 今回からさっそく、『新しい憲法をつくる国民会議』が発表した新憲法案要旨の、その内容についての検討を試みてみたい。

 まず前文から……ということで早速全文引用してみようと思ったのだが、残念ながら断念せざるを得なかった。ここで引用するには、あまりにも長文すぎるからだ。

 なぜこんなに長い前文が必要なのか? 多少、憲法問題に詳しい人なら知ってのとおり、明治憲法には前文などなかった。そもそも法律に前文をつけるという習慣自体、戦前の日本にはなかった極めて「戦後民主主義的」なものであり、これから制定する自主憲法に、そんなものが果たして必要なのかどうか自体、実は議論のあるところなのだが、仮に必要だとしても、このようなバカ長い前文を案として書いてしまうということは、口ではご立派なことを言いながらも、実は『国民会議』の諸君自身、未だ現行憲法の呪縛から逃れ切っていないのではないかと疑わざるを得ない。

 世界各国を見ても、たとえばかの「人権最先進国」として知られるスウェーデン王国をはじめ、憲法に前文のない国などいくらでもある。前文のある国でも、たとえばアメリカ合衆国憲法のそれなどは

 「われら合衆国の人民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、およびわれらとわれらの子孫に自由のもたらす恵沢を確保する目的をもって、この憲法をアメリカ合衆国のために確定し制定する」

 たったこれだけであり、他の西欧諸国も大体似たようなものである。

 では、日本の現行憲法と同じようなバカ長い前文を憲法に持つ国は他にあるのだろうか。 

 ある。それはまず中華人民共和国であり旧ソ連であり旧ポーランド人民共和国などの崩壊した社会主義諸国である。これだけでも、現行憲法の条文を書いた奴らが一体どういう連中なのか、お里が知れるというものだが、こんなものに未だに引きずられているとは、『国民会議』の諸君も、まだまだ覚悟が足りないといわざるを得ない。

(続く)
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