タグ:小室直樹 のエントリー一覧
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書籍紹介『三島由紀夫が復活する』
昨年末(註:キリスト歴2002年のことです)、いまや現代日本を代表する保守派論客とまで呼ばれるようになったあの小室直樹氏が、長らく絶版となっていた幻の名著『三島由紀夫が復活する』を、突如として毎日ワンズなる小出版社から再刊した。 「なぜ今三島本? それもこんなマイナーな出版社から、小室本の中でも大して売れたとは言えない本をわざわざ?」 一般の小室ファンにとっては、それは当然すぎるほどの疑問だった...
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『天皇教』にも宗教改革が必要だ!
ここまで書けば、前々回に私が述べた「憲法に違反する奴」とは、もっぱらこの「君側の奸=天皇の権威を独り占めする者ども」のことを指していることがお分かりになるだろう。 かつて山本七平氏や小室直樹博士らは、西洋におけるプロテスタンティズムのような近代化の原動力としての役割を、日本においてはもっぱら『天皇教』(神道とは厳密に区別された意味での)が務めたことを解明した。↑ 山 本 七 平 氏 だが一方では...
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「憲法制定権力」の問題
「何? 神が万物を創った? ではその神を創ったのは一体誰なのだ?」 その昔、新井白石がイタリアの宣教師であるジュアン・シドッチを尋問した際に、彼の説くキリスト教の教義を聞いて、思わず発したとされる疑問である。 実はこれと似たような問題が、憲法をめぐる論議のなかにも存在する。 言うまでもなく憲法とは、立憲国家においては、国の最高法規であり、あらゆる全ての権力行為の正当性を保障する根源である。いかな...
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護憲派が共闘を呼びかけてきた!(2)
この大塚氏が提案したような逆説的な憲法利用が、一定の効力を持ちえた時代も確かにあっただろう。 たとえば湾岸戦争の頃なら、まだ冷戦が終了して間もない時期でもあり、国民の間の、占領憲法への幻想もまだまだ無視できないほど強固なものであったと言える。 しかし、いかなる幻想も永遠のものではありえない。たとえそれが「平和を心から願う憲法幻想」であったとしてもだ。 ここで突然だが、「憲法は成文法で...