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究極の一手『常備軍付き世界連邦政府』構想!

 「世界の秩序を国家が連合して守るという国連の理念を本当に実行するためには、国連が専任の司令官を持つ常備軍を保有することがどうしても必要です。そのさい、各国は国力に応じてその費用を負担しなければなりません」

 「参考にすべきなのは、アメリカ憲法です。アメリカの政治システムは、上院と下院の二院制をとっています」

 「将来の国連は、各国が一名の代表を出す上院と、人口に応じた数の代表を各国が派遣する下院の二つから構成されることになるでしょう。もう一つ、各国のGDPに応じた議員数で構成される第三院が、必要になるかもしれません。このような制度の下でなら、国連が常備軍を持ち、世界の秩序維持にあたることが可能になるでしょう」

 「このような改革から、国連が世界政府になりうる道が開けます。やがて、国連は世界議会だけでなく大統領を持つことになるでしょう。強い行政権を持った強い大統領です。こうなったときに初めて、世界政府が誕生するということになるのです。国連は世界のどの国にも例外なく適用される世界法を持ち、常備軍をもってその法を施行することになるのです。その施行者が世界大統領であることは言うまでもありません」

 ……な、なんという逆説であろうか! グローバライゼーションに対する最も有効かつ決定的な反撃策が、よりにもよって最も反国民国家的主張たる『世界(連邦)政府』構想だったとは!

 しかし考えてみれば、これほど単純かつ論旨明快な反グローバライゼーション政策も他にはあるまい。

 要するに「『国境線という(国民国家の)限界を越えて資本が世界を自由自在に行き来する』からこれを統御することが出来ないというのなら、地球上の全地域をその主権領域とする『超』国民国家を一つ、打ち立ててしまえばいいじゃないか! そしてバヌアツだろうがケイマンだろうがモナコだろうがバルバドスだろうが、世界中どこまでもとことん追いかけていってこれに課税し、資本の逃げ場所をこの地球上から根絶してしまえ!」ということなのだから。

 正直、この『究極の反グローバライゼーション政策』をこの連載で紹介するのは勇気がいった。

 なにしろ我々のような保守左派系の団体というものは、世界中どこでも「世界連邦」的なものに対しては最も敵意を剥き出しにし、国民国家的なものに最も激しく執着するものと相場が決まっているものなのだから。

 わが国においても、「世界連邦」という言葉を聞いたとたん「サヨ妄想!」と切り捨てる輩が、民族派というよりむしろ保守派といわれる連中の中に大勢いるのが現状である。こんな「プラウトの世界連邦構想」などを発表しようものなら、それこそ「なんだ穂刈、お前も鈴木邦男を見習ってサヨ転向かァ?」などとネトウヨあたりから揶揄されそうな事くらい、はじめっから十分予想できることなのである。

 しかし、とあえて問いたい。

 よその国ならともかく、こと日本の民族派思想に関する限り、「世界連邦政府」構想というものは決して敵対的ではない、むしろ極めて親和性の高いものなのではないか、ということをである。「プラウト」の本論からは少しはずれるが、次回はそのあたりを詳しく検証していってみたい。

(続く)
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新自由主義者の言い分

 「日本一純粋な新自由主義者」こと大前研一が『SAPIO』平成20年(西暦2008年)6月25日号で、久しぶりにこちらが思いっきりムカつくようなことを書いてくれたので一部抜粋して紹介する。

 「今や工場だけでなく、企業のあらゆる機能が国境をまたいで海外に展開し始めた」

 「当然、雇用は限界まで削られ、組合活動などの入り込む余地はない」

 「経営者としては、御手洗氏や奥田氏や桜井氏は非常に立派である」

 「今まさに連合や全国自治会は、地方も時給1000円に引き上げろと要求している。それは政治的には正しいかもしれないが、結果はむしろ雇用減につながるだけだろう」 「つまり、企業は組合員に対して、出せるだけの給料をもう出している。これ以上出したら、いっそう非組合員や外国人を使うだけである」

 「もはや企業が賃上げ要求を受け入れる余地がないことを考えれば(中略)労組はターゲットを経営者ではなく、国や地方自治体などのパブリックセクターに切り替えて、まずは規制緩和を推進すべきだろう」

 まさしく「簡にして要を得た」近頃では珍しいくらいにストレートな新自由主義者の主張である。

 つまり「賃上げ要求とは何様のつもりだ! 国内に仕事を残しておいてやるだけでもありがたく思え‼」「何、法人税引き上げ? あっそう、ならいいよ別に。俺たちカリブ海でもどこでも、好きなところへ出て行けるもんネェ! 日本より税金の安い国なんて、世界にはいくらでもあるんだよゴラァ‼」というわけだ。

 奇しくもこの前の弊会の会合でナサニエル=スミス先生がアントニオ=ネグリの著書『帝国』を紹介されていたが、まさしくグローバライゼーションの本質とはここ「多国籍企業や超富裕層の権力が、国民国家の権力よりも強くなってしまった」という一点に尽きるのである。

 いくら近代国民国家が「神の力=主権」を持つといっても、そこには「国境線」という、超えられない壁がどうしても存在する。しかし多国籍企業や超富裕層、あるいは「才能ある人材」といった連中は、その壁を越え、世界中をどこまでも、自由自在に飛び回ることができる。そして情けないことに、今や国民国家は、彼ら「勝ち組」連中にヘイコラ頭を下げて国内に「在住していただく」こと無しには、その存立すら保てないほど脆弱な存在に成り下がってしまっているのである。

 我々もよく使う『対米自立』という言葉だと、今いち事の本質を上手くあらわせなくて面倒なのだが、あれやこれやと日本に新自由主義的政策を内政干渉してくるアメリカ政府は、実は新自由主義者の本丸ではない。主犯は、あくまでも彼らの背後にいる多国籍企業や東部金融資本であり、目に見える大統領や役人たちは、あくまでも彼らの代弁人であり、飼い犬にすぎないのである。

 このような世界情勢に対し、ラビ=バトラ博士は『ラビ=バトラの大予言』(総合法令)の180頁から182頁にかけて、一体どのような対抗策を提案されておられるのであろうか。

(続く)

『デュアル為替レート』とは何か?

 詳しく説明しよう。

 つまり現代の「変動相場制」下においては、各国の為替レートは原則市場によって決められている。だが国によっては、今でも「ペッグ制」などといって自国通貨を他国のある特定通貨にリンクさせることによって、固定的な為替レートを維持しているところもある。中国の人民元などがまさにその典型であろう。

 ラビ=バトラ博士のいう『デュアル為替レート』とは、この「ペッグ制」を逆手に取り、極端な貿易不均衡のある特定の国に対し、輸出か輸入のどちらか一方にだけこの「ペッグ制」すなわち固定相場制を採用しようというものである。いわば為替のダブルスタンダード制だ。

 例えばA国とB国との間では、A国側の貿易赤字が極端に大きいとする。そこでA国では、自国からB国への輸出に限り国際外国為替市場よりはるかに自国通貨を安くした固定為替レートを採用するのだ。

 するとどうなるか。

 B国では、それまでよりはるかに安い値段でA国の商品を手に入れられることになり、A国からB国への輸出は急増することになるだろう。しかも通常の為替レート変動とは違い、B国からA国への輸入には従来どおりの国際外国為替レートが採用されるわけだからこれでB国からA国への輸入が急に減るわけではない(つまりB国がこの政策に反対する根拠もない)というわけである。

 なるほど。確かに貿易不均衡是正策としてはそれなりの効果が期待できる方法だろう。だが現代日本の貧困問題を解決する手段としてはこの『デュアル為替レート』、残念ながらそれほど効果があるとも思えない(少なくとも短期的には)。

 たとえば貧困問題解決策として日本政府がこれを導入するのであれば、真っ先に考えられるのは「中国からの輸入為替レートの円を、国際外国為替市場より安く設定する(=中国製輸入品の国内価格を上げる)」であろう。だがこれは先の例とは異なり、自国輸出品の大幅な減少を余儀なくされる中国政府からは猛烈な抗議を受けることになる。しかし、だからといってその逆に「中国への輸出為替レートの円を、国際外国為替市場より安く設定する(=日本製品の中国価格を下げる」というのでは、儲かるのはトヨタやキャノンだけとなり、国内貧困問題の解決にはやはりなんの役にも立つまい。

 やはりこの方法には限界がある。ラビ=バトラ博士自身も「いずれ誰かがもっと有効なアイディアを考え出すまで、このデュアル為替レートは、今日のアメリカの製造業を生き返らせる唯一の手段といってもいいでしょう」と語っているように、これはあくまでも対症療法的な、さしあたりの解決策でしかないのだ。

 ではプラウトは、現代のこの猖獗を極めるグローバライゼーションに対し、なんの根源的対抗策も打ち出せないのであろうか。

 ……実をいうと、一つだけ方法がある。

 それは過去のラビ=バトラ著作群のなかでもただ一度、『ラビ=バトラの大予言』(総合法令)の一八〇ページから一八二ページまで、たった二ページ分だけ言及されたことのあるあの方法である。

(続く)

「自由貿易」は貧者の敵か?

 「何? 『これ以上の値引きはとても無理』だって? あっそう。ならいいよ別に。おたくらから買わなくても、今は中国やインドからいくらでももっと安い品を買うことが出来るからねェ。いやあ残念だなあ、おたくとは古くからの付き合いだから、なるべく顔を潰したくないと思って先に話を持ってきたのにねェ(嘲)」

 こんな調子で元請けから製品を買い叩かれ、泣く泣く値引きに応じたあげくますます経営が苦しくなり、従業員のリストラや労働強化でやむなく資金繰りを補わざるを得なくなっている中小零細企業経営者の方が、本紙(この当時に小論を掲載していた政治紙)読者のなかにもきっとおられることと思う。

 まさしくこれこそが「グローバライゼーション」というものであり、日本に「格差社会」をもたらした元凶の、そのもっとも分かりやすい例の一つであろう。

 このような「発展途上国からの格安輸入品攻勢」がもたらす貧困の問題に対して、プラウトは一体どのような処方箋を用意しているのであろうか。

 『ラビ・バトラの世紀末大予言』(徳間書店)や『貿易は国を滅ぼす』(光文社)などの初期作品でのラビ=バトラ博士の回答は、比較的単純かつ原始的なものであった。

 つまり「自由貿易が諸悪の根源なのだから、関税をかけて国内産業を保護すれば良い。それは先進国内の貧困化を阻止したり発展途上国の伝統産業や暮らしを保護したりするだけでなく、巨大タンカーなどの過大な輸送によるエネルギー浪費と環境汚染とを防ぎ、また関税による収入は政府の財政危機回避にも役立つ」というものである。

 正論である。が、同時に非現実的でもある。

 以前、何かの記事で貫通信C君が「反グローバライゼーションは、現代の尊皇攘夷でしかないかもしれない」というような意味の懸念を表明していたが、事実インターネットなどの急速な発展やそれによる高度情報社会化、また今や中国との密接な関連なくしては語れなくなってしまった日本製造業の現状などを見ても、関税障壁による「単純保護貿易主義」などというやり方は、時代遅れなだけでなく、国外市場や海外からの資金流入の道を閉ざし、かえって日本経済の首を締め上げる結果になってしまう恐れが非常に高いといわざるを得ないであろう(それ以前に「日本国内さえ豊かなら、他の発展途上国は貧しいままでもいいのか!?」という全く別方向からの批判も考えられる)。

 さすがに博士も「今どき関税障壁なんてとてもムリ」と判断せざるを得なかったのだろう。近著の『グリーンスパンの嘘』(あ・うん)や『新たなる黄金時代』(同)では、関税障壁に代わる新たな貿易均衡策として『デュアル為替レート』なるものを提案されている。

(続く)

プラウト式中小零細企業救済法とは?

  「冗談じゃない! この世知辛いご時世に、そんなバカ高い給料を払えるもんか!」

 そんな経営者たちの悲鳴が聞こえてきそうな数字ではある。しかも悩ましいことに、こうした最低賃金の引き上げにもっとも強硬に反対するのは、いまや史上空前の利益を上げ続けるまでになったトヨタやキャノンなどの勝ち組大企業よりもむしろ、日本商工会議所に集結するような中小零細企業の経営者たちであり、彼らを無視しては、決してこの『GDP連動式最低・最高賃金法』を実効的に導入することなどできないという点こそが、他の二原則に比べ、この原則の実行がもっとも難しいと思われる理由の一つなのである。

 どうにかして、彼ら中小零細企業に負担をかけさせる事なく、この原則を実行する方法はないものだろうか。それを考える前にまず、一体なぜ彼ら中小零細企業の経営がこんなにも苦しいものになってしまったのかを考えねばなるまい。

 大別すると、その理由は概ね次の二つとなるだろう。

⑴「コスト削減」の大号令のもと、元請け大企業から執拗に仕掛けられる下請けイジメ。

⑵中国をはじめとする発展途上国からの、格安の輸入品攻勢。


 このうち⑴については、他のプラウトニ原則の徹底実施により、かなりな程度まで状況を緩和させることが期待できる。なにしろ『独占強制分割法』により、いかなる大企業もある特定の産業を寡占することが不可能な状況になっているのだから、たとえ元請け企業Aからなんらかの無理難題を吹っかけられたとしても、「ならライバルの元請け企業Bに乗り換えてやる!」ということが、その頃には現在よりもはるかにやりやすい環境になっているはずなのである。

 また、例えば「東証一部上場、従業員数五〇〇〇名の大企業」などといっても、その多くは配下の下請け・孫請け企業までもが従業員数にカウントされているのが実態なのだから、それを逆手に取り『従業員株式保有制』の枠内に下請け・孫請け企業までもが入り込み、元請け企業の、株主総会での投票・発言権や株式配当受給権を確保しておく、という方法も考えられる。

 それでも足りなければ『下請け・孫請け企業従業員最低賃金保障法(下請け・孫請け企業で雇う従業員の最低賃金は、その契約内容に関係なく、全て元請け企業で負担しなければならない! とする法律)』の制定とか、あるいは労働組合ならぬ『中小企業組合』(これは独占強制分割法との兼ね合いが難しいのだが)の結成促進とかいった方法が考えられるが、いずれも国内法で解決できる問題であり、敵大企業の妨害さえ撥ね退けられれば、実施はそれほど難しいものではないだろうと楽観できる。

 問題は⑵の「格安輸入品」のほうで、これこそまさに現代のグローバライゼーションの問題とも直結する、今もっともホットな課題ともいえるであろう。(続く)

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